日降雪量(日積雪差)100センチ以上の全地点

「降雪の深さ」と「日降雪量」

気象庁Webサイトでは日降雪量として、有人観測の気象官署については「降雪の深さ日合計」が掲載されています。今では無人化された旧測候所も「降雪の深さ日合計」です。

気象庁>旭川 観測史上1~10位の値

無人観測のアメダス観測所については「積雪差日合計」です。

気象庁>朱鞠内 観測史上1~10位の値

両者の違いは次のように説明されています。

降雪の深さ(降雪量)
「降雪の深さ」はある時間内に、地表に降り積もった雪などの固形降水の深さをいいます。
気象庁では正時値と1時間前の正時値との差を求め正の値を正時値の降雪量(降雪の深さ)としています。
日降雪量
毎正時の降雪の深さを1日分合計した値です。
アメダス観測所では「降雪の深さ」は観測していませんが、前1時間の積雪の深さの増加分を便宜上、降雪の深さとして計算します。 また、積雪の深さの観測精度の限界等により、降雪の深さには誤差が含まれています。

札幌管区気象台>雪に関する用語解説

厳密にはイコールではないのでしょうが、「≒」ということで理解していいものと思われます。

日降雪量100センチ以上の全地点

日降雪量100センチ以上は8地点で延べ15回観測されているだけでした(観測を停止した地点は調べていません)。

観測所日降雪年月日統計開始最深積雪年月日
安塚120cm1986/01/101980年350cm1984/03/08
高田120cm1969/01/011953年377cm1945/02/26
藤原117cm2020/12/151989年301cm2006/01/26
津南113cm2014/12/141989年416cm2006/02/05
安塚112cm2021/01/08
高田109cm1985/01/06
守門106cm1986/01/091980年463cm1981/02/09
高田106cm1975/02/10
関山105cm1991/12/121980年362cm1984/03/01
高田104cm1986/01/10
高田104cm1960/12/30
高田103cm2021/01/08
能生102cm2018/01/121980年309cm1985/01/30
高田102cm1984/12/28
帯広102cm1970/03/161953年177cm1970/03/17
▲日降雪100センチ以上

十勝の帯広と群馬の藤原以外はすべて新潟県です。酸ケ湯でも肘折でも日降雪量は100センチに達していませんでした。日降雪の多寡と積雪は必ずしも比例するものではないようです。

日降雪89センチ以上の観測地点

上位は新潟の独壇場ですが、1mまであと一息のグループはかなりワイドに散らばっています。

県(局)観測所日降雪年月日最深積雪年月日統計開始
兵庫兎和野高原98cm2017/02/10205cm2012/02/182005/12
福島若松98cm1980/12/14115cm2010/12/261953/08
福島桧枝岐97cm2014/12/17339cm2015/02/151982/10
岐阜長滝96cm2007/12/31219cm2005/12/241981/11
十勝広尾96cm1986/01/10196cm1970/03/171958/01
上川音威子府95cm2013/01/26281cm2018/02/251982/10
宗谷北見枝幸94cm1958/03/03231cm1958/03/031942/10
新潟湯沢93cm2014/12/14358cm2006/01/281982/10
岩手葛巻93cm1987/02/03114cm2011/01/011984/10
青森むつ92cm1977/02/15170cm1977/02/151953/01
福島只見91cm1986/01/09341cm2013/02/251979/11
福島金山90cm2010/12/25230cm2015/03/122007/12
長野野沢温泉90cm2000/02/15353cm1984/03/221980/11
青森酸ケ湯90cm1993/12/15566cm2013/02/261979/11
岐阜河合90cm1980/12/28279cm1981/01/131980/11
島根松江90cm1971/02/04100cm1971/02/041940/10
新潟十日町89cm2021/01/08391cm1981/02/281980/11
十勝上札内89cm2006/03/29163cm1991/02/281984/10
滋賀今津89cm1990/01/26105cm1984/02/101981/11
山形肘折89cm1988/01/23445cm2018/02/131982/11
富山伏木89cm1960/12/31225cm1963/01/271891/01
▲降雪98~89センチを観測したアメダス地点

外部リンク
■気象庁>歴代全国ランキング(1番下に最深積雪20位までのランキングがあります)

アメダス安塚

ほくほく線虫川大杉駅が最寄駅となる東頸城郡安塚町は2005年に上越市に編入されました。今ではアメダス安塚も高田と同じ上越市です。世界有数の豪雪地帯の一角を占めています。

安塚周辺
安塚周辺(地理院タイルを加工)

アメダス安塚の標高は126m、温度計は3.5mに設置されています。標高100mを切る旧安塚町の中心部まで3キロ弱、標高40m台の虫川大杉駅まで5.5キロです。

アメダス安塚

スポーツ公園に露場が設営されています。確認できませんでしたが、昔は小学校だったのかもしれません。2020年の観測値は次のとおりです。風速計は高さ6.5mで、たびたび欠測が生じているようです。

年降水量2986.0ミリ138位/1293地点
年平均気温12.6℃554位/922地点
年最高気温36.1℃416位/922地点
年最低気温-8.0℃563位/922地点
年較差44.1℃356位/922地点
年平均風速1.1m/s842位/921地点
年日照時間1344.0時間797位/841地点
▲アメダス安塚の2020年観測値

最高気温が38℃台に達したことはまだありません。旧・安塚村は1955年に町制施行しています。当時の人口は11,173人とされています。2021年10月末の上越市安塚区の人口は2,093人です。アメダス安塚では今年は4月8日まで積雪が残っています。

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