移転前40.6℃、移転後は40.9℃のアメダス天竜

アメダス天竜では1994年8月4日に最高気温40.6℃が観測されています。日本では40℃台4地点目であり、当時としては全国歴代2位でした。2020年8月16日には40.9℃を観測しています。地点別では（今も）全国6位です。

2回ある40℃台は観測露場の移転を挟んだものです。2008年12月に天竜区役所付近から船明（ふなぎら）ダム付近に移転しています。40℃台を複数回観測している16地点のうち、浜松や桐生や伊勢崎は移転後のみ、館林と中条は移転前のみですので、移転前後にまたがる40℃は天竜だけです。

ピンクの✕印は2022年9月に起きた緑恵台の土砂崩れ現場です。新東名より山側です。移転前の観測露場は標高53ｍで、風速計の高さは18.8ｍだったようです。高さのある風速計が必要だったのは画像左上の笹岡城跡の山が原因と思われます。

移転後の風速計は標準の10ｍです。標高は61ｍとされています。

船明ダムから見たアメダス天竜です。画像中央が風速計です。住宅地なら10ｍで十分です。

アメダス天竜では2001年7月24日に39.9℃を観測しています。前記2日とともに10分ごとの気温変化をグラフ化しました。

ひょっとすると、移転して熱帯夜が多くなったのではないかと思って調べてみましたが、移転前の2007年までは平均2.8日、移転後は年平均2.4日です。

年平均気温は次のように推移しています。移転によって若干抑え気味になっているかもしれません。

試しに年平均風速もグラフにしてみました。移転効果は明らかです。

2021年と2022年の観測値は次のとおりです。雨も日照も多く、年較差は比較的大きい地域です。

▲天竜の2021年観測値