「日本最高積雪」の森宮野原駅は日本最古?

日本最古の連称駅名かも

JR飯山線の森宮野原駅から津南駅までの営業キロ数は次のとおりです。

森宮野原駅(2.8)足滝駅(2.4)越後田中駅(3.0)津南駅

ローカル線ならこんなものという駅間距離です。石勝線のようなことはありません。森宮野原駅は長野県栄村、足滝駅からは新潟県津南町になります。

「森宮野原」の駅名について、Wikipediaには次のような記載があります。

長野県側の栄村北信の小字「森」と新潟県側の津南町上郷の小字「宮野原」を合成した駅名である。

Wikipedia>森宮野原駅

地下路線の鉄道駅は町域境に設置されることが多く、並列型の連称駅名は珍しくありません。

1977年池尻大橋駅世田谷区池尻+目黒区大橋
1980年喜連瓜破駅大阪市平野区喜連瓜破
1983年小竹向原駅練馬区小竹町+板橋区向原
▲地下鉄の連称駅名

1920年代開業の駅で並列連称駅名は相当にレアです。確認できたわけではありませんが、連称駅名としては最古の可能性があります。

【2022/03/01追記】最古ではありませんでした。→「笠上黒生駅より7年前に開業した那古船形駅」

顧客は県境の向こう

1925年森宮野原駅長野県栄村北信+新潟県津南町上郷宮野原
1927年愛甲石田駅厚木市愛甲+伊勢原市石田
1914年若江駅(1925年に若江岩田駅に改称)
1926年国立駅分寺駅+川駅)
▲地上路線の連称駅名等

森宮野原駅の開業は愛甲石田駅より古く、頭文字連称の国立駅より前です。近鉄の若江岩田駅は改称当時の町域名を調べてみる必要があります。やはり近鉄の宇治山田駅は延伸当時の自治体名が宇治山田ですので純粋な連称とは言えません(どのみち1931年でした)。

開業当時の飯山鉄道には最近の地下鉄のように連称駅名を好む傾向は見られません。飯山線には戸狩野沢温泉駅や魚沼中条駅がありますが、前者への改称は1987年であり、それ以前はただの戸狩駅でした。後者は羽越本線・中条駅(胎内市)との区別のために郡名の魚沼がかぶせられたものです。

最初から「森宮野原駅」だったということは、飯山鉄道としては駅所在地の「森」以上に、隣県「宮野原」の住民を顧客として期待していたのかもしれません。

森宮野原駅
「森」と「宮野原」(地理院タイルを加工)

道の駅の北にある「文」マークは栄村立栄中学校、県境を越えて右端の「文」マークは津南町立上郷小学校です。駅から上郷小まで直線で1キロほどです。集落としての規模は、村役場のある栄村北信森より津南町上郷宮野原のほうが大きいようです。

日本最高積雪地点

標高290m弱の森宮野原駅の駅前には「日本最高積雪地点」の標柱が立てられています。1945年2月12日に駅保線区で7.85mの積雪が記録されています。

気象庁的には積雪深のレコードは伊吹山の11.82mですが、これは居住地域ではなく山頂で観測されたものです。5.66mの酸ケ湯にしても、もともとは冬季休業の温泉宿です。観光施設はありますが住戸集落が形成されているわけではありません。

森宮野原駅

2018年6月4日撮影の衛星写真です。画像中央上の森宮野原駅から画像中央下の栄村役場まで250mほどです。小さいながらも集落を形成しています。居住地域という意味では「日本最高積雪地点」が誇大であるとは言えません。

3月中旬の森宮野原駅

2015年3月15日撮影の衛星写真です。さすがに3月中旬ではまだ雪が残っています。

津南より少なめか?

1945年2月の最深積雪は高田が3.77mで観測史上1位、長野が71センチで観測史上2位です。雪の多い年だったわけです。栄村の村勢要覧には年度ごとの積雪量が掲載されています。昭和41年度(1966年4月~1967年3月)にも6m台の積雪を観測していますが、その後は5mを超えたことはありません。

栄村>2019村勢要覧(3ページ)

札幌もそうでしたが、積雪や降雪に関しては戦前の観測値がアンタッチャブル・レコードとして残っています。アメダス観測網が整備されたのは1970年代です。積雪や降雪が観測されているのは330箇所ほどしかありません。森宮野原駅の最寄りのアメダスは津南です。

アメダス津南で積雪関係の観測が始まったのは1989年です。津南の最大積雪深は2006年2月5日の416センチです。平成17年度の森宮野原駅は4mに達していません。平成18年度の森宮野原駅はグラフから読み取ると60センチ弱です。この冬の津南は88センチですので、津南より若干少なめのようです。

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