2022年の最小湿度
アメダス観測所では2021年から段階的に湿度観測が始まっています。昨年末の時点では気象台や旧・測候所を含めて400か所を超えているようです。陸別は2021年9月からですが、波照間は去年10月、蒲生田は去年11月の観測開始です。2022年に通年観測したのは300か所程度です。
県 | 観測所 | 標高 | 平均 | 最小 | 起日 |
静岡 | 富士山 | 3775 | 65 | 3 | 10/15 |
岐阜 | 高山 | 560 | 78 | 4 | 4/25 |
岡山 | 千屋 | 525 | 88 | 5 | 4/05 |
広島 | 高野 | 570 | 86 | 5 | 4/05 |
大分 | 竹田 | 261 | 80 | 5 | 3/16 |
十勝 | 上士幌 | 287 | 77 | 5 | 4/25 |
大分 | 日田 | 83 | 76 | 5 | 4/17 |
山梨 | 南部 | 141 | 76 | 5 | 3/15 |
十勝 | ぬかびら源泉郷 | 540 | 84 | 6 | 4/25 |
兵庫 | 兎和野高原 | 540 | 82 | 6 | 4/05 |
山口 | 広瀬 | 97 | 81 | 6 | 3/16 |
福岡 | 飯塚 | 37 | 72 | 6 | 3/16 |
長崎 | 島原 | 14 | 72 | 6 | 3/27 |
福岡 | 久留米 | 7 | 71 | 6 | 4/17 |
長野 | 松本 | 610 | 67 | 6 | 4/06 |
高知 | 窪川 | 205 | 84 | 7 | 3/16 |
兵庫 | 豊岡 | 3 | 79 | 7 | 4/05 |
長野 | 飯田 | 516 | 72 | 7 | 4/06 |
アメダス島原を例外として内陸の観測所で占められています。高地の観測所が多いという特徴もあります。最小湿度は海なり湖なりからの水蒸気が供給されにくい立地が求められるのでしょう。
湿度1%が20回の富士山
2005年4月9日の高山が「全国唯一」の0%ですが、富士山は1%が通算で20回あります(観測開始2004年)。季節的に夏から秋に集中しているのは積雪の関係かと思われます。
1月 | 1(2018) |
2月 | 0 |
3月 | 0 |
4月 | 0 |
5月 | 5(2015、2016✕4) |
6月 | 2(2017✕2) |
7月 | 0 |
8月 | 2(2018✕2) |
9月 | 5(2007、2013、2014、2015、2016) |
10月 | 1(2015) |
11月 | 4(2010、2015✕2、2020) |
12月 | 0 |
最小湿度が高いほうの10地点は離島勢が独占しています。当然のように標高も低めです。
県 | 観測所 | 標高 | 平均 | 最小 | 起日 |
沖縄 | 西表島 | 10 | 86 | 48 | 12/22 |
沖縄 | 与那国島 | 30 | 88 | 46 | 3/10 |
沖縄 | 宮古島 | 39 | 82 | 43 | 12/22 |
東京 | 父島 | 3 | 83 | 41 | 2/26 |
沖縄 | 久米島 | 5 | 80 | 41 | 3/08 |
沖縄 | 南大東 | 15 | 81 | 40 | 12/26 |
鹿児島 | 沖永良部 | 27 | 79 | 40 | 3/28 |
沖縄 | 石垣島 | 6 | 82 | 39 | 12/22 |
沖縄 | 那覇 | 28 | 80 | 38 | 3/09 |
東京 | 南鳥島 | 7 | 79 | 35 | 1/05 |
絶対湿度と相対湿度
高山と西表島に東京と大阪を加えた4地点で、旬ごとの湿度の平年値をグラフ化してみました。今までで一番面白いグラフかもしれません。東京と大阪の差が意外です。
冬の高山の湿度が高いのは、やはり積雪で水蒸気が供給されるからなのでしょう。高山にしても富士山にしても、積雪がないときが0%のチャンスです。
コロナ前の私は冬季限定で喉スプレーを使っていました(コロナ以降は通年)。この場合の冬季とは11月スタートで使い切るまでですが、買い足すかどうかの目安は5月でした。体内時計ならぬ口腔内湿度計は案外正確だったようです。
インフルエンザ対策として推奨される絶対湿度は11g/m3以上とされています。
絶対湿度 | 気温と相対湿度 | |
イエローライン | 10.4g/m3 | 20℃で60%、25℃で45% |
推奨ライン | 11.5g/m3 | 15℃で90%、25℃で50% |
冷えた部屋で暖房を入れると室温が上がることで湿度が下がり、推奨ゾーンからイエローゾーンに突入してしまうという理屈になります。囲炉裏の鍋や石油ストーブのやかんは理にかなっていたわけです。最小湿度が春先に観測されることが多いのも同じ理由なのかもしれません。
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