2022年の最小湿度はやっぱり高山

2022年の最小湿度

アメダス観測所では2021年から段階的に湿度観測が始まっています。昨年末の時点では気象台や旧・測候所を含めて400か所を超えているようです。陸別は2021年9月からですが、波照間は去年10月、蒲生田は去年11月の観測開始です。2022年に通年観測したのは300か所程度です。

観測所標高平均最小起日
静岡富士山377565310/15
岐阜高山5607844/25
岡山千屋5258854/05
広島高野5708654/05
大分竹田2618053/16
十勝上士幌2877754/25
大分日田837654/17
山梨南部1417653/15
十勝ぬかびら源泉郷5408464/25
兵庫兎和野高原5408264/05
山口広瀬978163/16
福岡飯塚377263/16
長崎島原147263/27
福岡久留米77164/17
長野松本6106764/06
高知窪川2058473/16
兵庫豊岡37974/05
長野飯田5167274/06
▲2022年に最小湿度の低かった20地点

アメダス島原を例外として内陸の観測所で占められています。高地の観測所が多いという特徴もあります。最小湿度は海なり湖なりからの水蒸気が供給されにくい立地が求められるのでしょう。

湿度1%が20回の富士山

2005年4月9日の高山が「全国唯一」の0%ですが、富士山は1%が通算で20回あります(観測開始2004年)。季節的に夏から秋に集中しているのは積雪の関係かと思われます。

1月1(2018)
2月0
3月0
4月0
5月5(2015、2016✕4)
6月2(2017✕2)
7月0
8月2(2018✕2)
9月5(2007、2013、2014、2015、2016)
10月1(2015)
11月4(2010、2015✕2、2020)
12月0
▲富士山の湿度1%

最小湿度が高いほうの10地点は離島勢が独占しています。当然のように標高も低めです。

観測所標高平均最小起日
沖縄西表島10864812/22
沖縄与那国島3088463/10
沖縄宮古島39824312/22
東京父島383412/26
沖縄久米島580413/08
沖縄南大東15814012/26
鹿児島沖永良部2779403/28
沖縄石垣島6823912/22
沖縄那覇2880383/09
東京南鳥島779351/05
▲2022年の最小湿度が高かった10地点

絶対湿度と相対湿度

高山と西表島に東京と大阪を加えた4地点で、旬ごとの湿度の平年値をグラフ化してみました。今までで一番面白いグラフかもしれません。東京と大阪の差が意外です。

東京、大阪、高山、西表島の相対湿度

冬の高山の湿度が高いのは、やはり積雪で水蒸気が供給されるからなのでしょう。高山にしても富士山にしても、積雪がないときが0%のチャンスです。

コロナ前の私は冬季限定で喉スプレーを使っていました(コロナ以降は通年)。この場合の冬季とは11月スタートで使い切るまでですが、買い足すかどうかの目安は5月でした。体内時計ならぬ口腔内湿度計は案外正確だったようです。

インフルエンザ対策として推奨される絶対湿度は11g/m3以上とされています。

絶対湿度気温と相対湿度
イエローライン10.4g/m320℃で60%、25℃で45%
推奨ライン11.5g/m315℃で90%、25℃で50%
▲絶対湿度と相対湿度

冷えた部屋で暖房を入れると室温が上がることで湿度が下がり、推奨ゾーンからイエローゾーンに突入してしまうという理屈になります。囲炉裏の鍋や石油ストーブのやかんは理にかなっていたわけです。最小湿度が春先に観測されることが多いのも同じ理由なのかもしれません。

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